施設概要

現在の状況と環境

 能登半島の西岸を外浦、東岸(富山湾側)を内浦と呼ぶ。その内浦の中央やや北寄りに九十九湾がある。九十九湾の入り江の一つ、通称「船隠し」に当臨海実験施設が建てられている。九十九湾は湾口の幅約200m、最大奥行き1,200 m、水深25 mの典型的な溺れ谷で荒天でも湾内に波浪を見ない。実験施設周辺は国定公園に、湾口は海中公園に指定されている。九十九湾を中心に南北50 kmに渡る海岸線は、砂泥・礫・岩礁地帯と変化に富んでいる。

 生物相は日本海を北上する対馬暖流の支流と富山湾の固有冷水域の影響を受け、南方系と北方系の両種が見られる。また、当施設の前の水深10 mには、口や肛門、消化管が無い「マシコヒゲムシ」(有鬚動物門より環形動物門へ変更)が生息する。磯採集に適した数カ所のポイントと、ドレッジに適した底質が異なるポイントがあり、臨海実習に適した環境といえる。

出版物

能登臨海実験施設 研究概要・年次報告

施設・設備

(1)建物

研究棟

鉄筋コンクリート2階建て(床面積655.68㎡)、施設長室、研究室(8室)、恒温室、実習室、 事務室、暗室

実験棟

鉄筋コンクリート2階建て(床面積201.59㎡)で、水槽室(恒温水槽3基)、低温室、標本室、 講義室、屋外水槽(9基)

宿泊棟

鉄筋コンクリート2階建て(床面積496.58㎡)で、宿泊室8(4人部屋洋室5、2人部屋洋室1、8畳和室2)、静養室、食堂(IHコンロ、冷凍冷蔵庫、電気ポット、炊飯器、オーブンレンジ、トースター)、浴室2(石鹸、シャンプー有)、洗濯室(洗濯機3、乾燥機3)、宿直室、宿泊最大30名程度

薬品庫

(床面積9.48㎡)

艇庫

(床面積80㎡)

(2)船舶

あおさぎ

FRP製、4.97トン、190馬力、無線・レーダー・魚探・DGPS

くろさぎ

全長×全幅×全身:8.42×2.28×0.81m、1.4トン、115馬力、GPS・魚探・ウインチ

(3)車両

トヨタISIS

(4)光熱・水道

各研究室及び実験室に水道水の化学水栓、電気給湯器、エアコン、Wi-Fi(KAINS-WiFi、eduroam)あり。 実習室には海水給水あり。

(5) 主な機械・器具

エクマン採水器、小型ドレッジ、スキューバ用タンク、顕微鏡(双眼実体14、普通25)、万能投影機、遠心器、分光光度計、電気泳動装置、高速液体クロマトグラフ、クリーンベンチ、オートクレイブ、PCR装置2、純水製造装置、超純水装置、定温乾燥機、超低温フリーザー2、炎光分析装置、マイクロプレートリーダー、図書・図鑑

利用者に配慮した施設整備状況

(1)洗濯機・乾燥機

3台ある洗濯機と乾燥機を、男性専用、女性専用、共用の各1台ずつとしました。

(2)洗面室へのドライヤーの設置

洗面室にドライヤー4台を設置しました。

(3)トイレ手洗いに鏡を設置

全てのトイレの手洗いに鏡を設置しました。

教育関係共同利用拠点

文部科学省より平成24年から教育関係共同利用拠点に認定されています。令和4年度より教育関係共同利用拠点(環日本海域を中心とした持続可能な先端的環境・保全学に関する教育共同利用拠点)に再度認定されました(令和9年3月末まで)。
金沢大学環日本海域環境研究センター教育関係共同利用拠点運営委員会委員名簿

施設と船舶の年間利用者数(年度別)

教育拠点利用:実習による利用
教育・研究拠点利用:教職員と学生による利用
研究拠点利用:教職員・研究者のみによる利用

金沢大学環日本海域環境研究センター臨海実験施設
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